この記事では、子どもの頃に偶然耳にした三ツ矢サイダーのテレビCMと、そこで流れていたビートルズの楽曲について、当時の思い出やその後の影響を交えて詳しく振り返ります。
あの時の体験は単なるCMの記憶にとどまらず、のちに音楽への興味を大きく広げる入り口にもなりました。
今振り返ると、幼い心に強烈な印象を残したその瞬間が、音楽を深く愛する人生の第一歩だったのかもしれません。
初めて耳にしたビートルズの記憶
ビートルズを最初に耳にしたのは小学生の頃のことでした。
学年までは定かではありませんが、ビートルズ解散から数年後で、まだ世間に余韻が残っていた時期だったと思います。
家の居間で何気なく見ていたテレビから流れてきたCM、その中で聞こえてきた独特のメロディが耳に強く焼き付きました。
学校や友達との遊びの記憶はあいまいでも、この音楽に出会った瞬間の衝撃だけははっきりと覚えています。
普段は軽快で楽しいはずの炭酸飲料の宣伝が、そのときは不思議と心を揺さぶる芸術の入り口に感じられました。
何気ない日常に突然現れた異国のサウンドに、子ども心ながら「もっと知りたい」という気持ちが芽生えたのです。
サイダーの音で奏でられた「ラブ・ミー・ドゥ」
当時の三ツ矢サイダーのCMでは、グラスに注がれたサイダーの音がまるで楽器のように音階を作り出し、「ラブ・ミー・ドゥ」のメロディを奏でていました。
その独特な演出は、炭酸の弾ける音と楽曲が一体となって耳に残り、普通の飲料CMとは一線を画していました。
サイダーを買うとキャンペーンでグラスがもらえたような記憶もあり、友達の家でも同じグラスを見かけたことがあります。
透明なガラスに三ツ矢のマークが刻印されていて、当時の子どもにとってはちょっとした特別感がありました。
今となっては細部ははっきりしませんが、あの涼しげな映像と軽快なメロディの組み合わせが心に焼き付き、夏の風景や家族団らんの思い出と結びついて鮮やかによみがえってきます。
続くCMには「プリーズ・プリーズ・ミー」も
第2弾のCMでは「プリーズ・プリーズ・ミー」が流れていた記憶があります。サイダーの爽快感とビートルズのテンポの良いメロディが重なり、前作に続いて大きなインパクトを残していました。演出の細部までは思い出せないものの、当時のテレビ画面の明るさや家族と一緒に見ていた雰囲気、そして軽快なリズムが頭に焼き付いています。夏の夕暮れや団らんの時間と結びついて、ただの飲料CM以上に心に残る存在になっていました。
中学生時代、ラジカセとFMエアチェック
中学に入ると、ナショナル(現パナソニック)のラジカセ「ステレオMAC MOO」を手に入れました。
LEDインジケーター付きで、当時としては先進的。FMラジオを録音する“エアチェック”に夢中になり、番組表を片手にお気に入りの音楽を録音していました。
ある日、偶然ビートルズの「アイ・フィール・ファイン」を録音でき、その独特なイントロに心を奪われました。
「ビヨ〜ン」というフィードバック音の不思議さに、繰り返し聴き入ったものです。
高校生になってさらに深まるビートルズ熱
高校時代は、ビートルズの情報を求めて本屋や図書館に通い詰め、関連書籍を手に取っては夢中で読み漁りました。
雑誌の特集記事や海外の音楽雑誌の翻訳版にも手を伸ばし、少しでも新しい知識や裏話を知ろうと必死でした。
分厚いビートルズ辞典のような本を繰り返し借りて、歌詞の和訳やアルバムごとの解説を何度も読み返したのも懐かしい思い出です。
友達と一緒に情報を交換したり、ノートに自分なりのまとめを書き込んだりして、まるで勉強のように熱心に取り組んでいました。
その時間が、単なる趣味を越えて音楽そのものへの理解を深める大切な経験となっていったのです。
コンポーネントステレオで楽しむ贅沢な音
高校生になると流行していたのが、いわゆるコンポーネントステレオと呼ばれる高級オーディオセットでした。
スピーカー、アンプ、チューナー、ターンテーブルなどが別々のユニットになっていて、自分好みに組み合わせられるのが魅力でした。
価格は当時としてはとても高価で、30万円以上するものも珍しくありませんでしたが、その分迫力のある音でレコードを再生できました。
低音の響きや高音の伸びがこれまでのラジカセとはまるで別物で、音楽そのものが目の前で生演奏されているような感覚を味わえたのです。
そんな環境で聴くビートルズは格別で、アルバムの細かな音色やコーラスの重なりまでクリアに感じ取ることができました。
当時の自分にとって、それは日常を超えた最高の贅沢であり、音楽の奥深さを知る大きなきっかけになりました。
まとめ
子どもの頃に何気なく耳にした三ツ矢サイダーのCMは、単なる飲料広告を超えて心に残る大きな体験となりました。
その中で流れていたビートルズの曲が、音楽に目を向けるきっかけとなり、中学・高校と成長する中でさらにその熱は深まっていきました。
ラジカセでのエアチェックや本屋での情報収集、そしてコンポーネントステレオで味わう迫力ある音楽体験は、どれもビートルズと共に歩んだ青春の記憶です。
振り返ってみると、あの小さな出会いが、人生の中で音楽を大切にし続ける原点だったと改めて感じます。
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