アビイ・ロード（アルバム）

この記事では、アビイ・ロード（アルバム）を紹介しています。

ビートルズの12作目のオリジナルアルバムです。このアルバムは、4人のメンバーが揃った状態で録音された最後の作品として知られています。

ビートルズのアビイ・ロード（アルバム）は、バンドの音楽的キャリアを締めくくる記念碑的なアルバムです。

1969年当時、ビートルズは自身が設立したアップル・コアの経営難に頭を悩ませていました。そのような状況下で制作されたこのアルバムは、バンドの解散が近いことを予感させるものとなりました。

アビイ・ロード（アルバム）のセッション

1969年2月22日から8月20日にかけて行われました。
主にEMIのアビーロード・スタジオで録音されました。

アビイ・ロード（アルバム）の発売日

1969年9月26日

アビイ・ロード（アルバム）の音楽的特徴

アビイ・ロード（アルバム）は以下のような特徴を持っています：
・A面は新曲群、B面は過去に作曲した未発表曲を中心としたメドレー形式
・サイケデリックな装飾を排したストレートなバンドサウンド
・モーグ・シンセサイザーの導入など、新しい試み
・ジョージ・ハリスンやリンゴ・スターの楽曲が高評価

アビイ・ロード（アルバム）の収録曲と演奏

アルバムには多彩な楽器演奏が収録されています。例えば：
ジョン・レノン：リード・ボーカル、ハーモニー＆バッキング・ボーカル、リズムギター、リードギター、アコースティック・ピアノ、モーグ・シンセサイザーなど
ポール・マッカートニー：リード・ボーカル、ハーモニー＆バッキング・ボーカル、ベース、リズムギター、アコースティック・ピアノ、風鈴など
ジョージ・ハリスン：ハーモニー＆バッキング・ボーカル、リードギター、ベース（一部の曲）、ハーモニウムなど

アビイ・ロード（アルバム）の評価と影響

発売当時、『アビイ・ロード』は批評家から賛否両論の評価を受けました。ローリング・ストーン誌は「複雑というより難解である」と批判しましたが、レコード・ミラー誌は「バンドの過去の3作にひけをとらないくらい素晴らしいアルバム」と評価しました。

時を経て、このアルバムは多くのファンから「ビートルズの最高傑作」と称されるようになりました。2019年には50周年記念盤が発売され、イギリスで50年ぶりにチャート1位を獲得するなど、その人気は今も衰えていません。

アビイ・ロード（アルバム）のジャケット写真と「ポール死亡説」

アルバムのジャケット写真は、EMIスタジオ前の横断歩道を4人のメンバーが渡る姿を捉えたもので、現在では観光名所となっています。

この写真は「ポール死亡説」の根拠の一つとなりました。マッカートニーが裸足で目を閉じている様子や、ナンバープレートの「28IF」（ポールが生きていれば28歳という意味）などが、様々な憶測を呼びました。

アビイ・ロード（アルバム）の収録曲

Ａ面
「カム・トゥゲザー」(Come Together)
作詞・作曲: レノン/マッカートニー
リード・ボーカル: ジョン・レノン
ファンキーなリズムが特徴的な曲で、アルバムの幕開けを飾ります。

「サムシング」(Something)
作詞・作曲: ジョージ・ハリスン
リード・ボーカル: ジョージ・ハリスン
ビートルズの公式発表曲の中で、ジョージ・ハリスン作で唯一シングルのA面になった曲です。

「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」(Maxwell's Silver Hammer)
作詞・作曲: レノン/マッカートニー
リード・ボーカル: ポール・マッカートニー
ポールが凝りに凝って3日間かけてレコーディングを行った曲です。

「オー！ダーリン」(Oh! Darling)
作詞・作曲: レノン/マッカートニー
リード・ボーカル: ポール・マッカートニー

「オクトパス・ガーデン」(Octopus's Garden)
作詞・作曲: リチャード・スターキー
リード・ボーカル: リンゴ・スター
リンゴがサルディニア島でのバカンス中に着想を得た曲です。

「アイ・ウォント・ユー（シーズ・ソー・ヘヴィー）」(I Want You (She's So Heavy))
作詞・作曲: レノン/マッカートニー
リード・ボーカル: ジョン・レノン
ジョンがヨーコのことを歌った曲で、ムーグ・シンセサイザーが使用されています。

B面
「ヒア・カムズ・ザ・サン」(Here Comes The Sun)
作詞・作曲: ジョージ・ハリスン
リード・ボーカル: ジョージ・ハリスン

「ビコーズ」(Because)
作詞・作曲: レノン/マッカートニー
ハーモニー・ボーカル: ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン

メドレー
「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」(You Never Give Me Your Money)
「サン・キング」(Sun King)
「ミーン・ミスター・マスタード」(Mean Mr. Mustard)
「ポリシーン・パム」(Polythene Pam)
「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ」(She Came In Through The Bathroom Window)
「ゴールデン・スランバーズ」(Golden Slumbers)
「キャリー・ザット・ウェイト」(Carry That Weight)
「ジ・エンド」(The End)
「ハー・マジェスティ」(Her Majesty)
作詞・作曲: レノン/マッカートニー
リード・ボーカル: ポール・マッカートニー
隠しトラックとして収録されています。

このアルバムは、ビートルズの音楽的成熟と革新性を示す作品として高く評価されています。B面のメドレーは特に有名で、複数の短い曲が繋がって一つの長い組曲のようになっています。

まとめ

ビートルズの最後のアルバムであるアビイ・ロード（アルバム）を紹介しました。

アビイ・ロード（アルバム）は、ビートルズの音楽的成熟と革新性を示すと同時に、バンドの終焉を象徴する作品として、音楽史に深く刻まれています。